遺言書を作成するうえでのポイント(1)
このページは、遺言書(自筆証書遺言・公正証書遺言)を作成するうえでのポイント、相続・遺言に関する基礎知識をまとめています。
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遺言・遺言書とは
生命のあるものは必ず「死」を迎えます。人も例外ではありません。そして人が亡くなった後には、亡くなった人の財産上の地位を引き継ぐ「相続」が発生します。
「相続」には、「遺言書」による相続と、民法に定められた方法による「法定相続」があります。
「遺言書」は、自分の死後の相続等に関することを記した最終の意思表示です。
「遺言書」によって、相続分や遺産分割方法の指定はもちろん、相続人の排除(相続人の資格を失わせること)、子の認知なども可能です。
そのため、「遺言書」が存在する場合は、遺言者の意思を尊重し、民法に定められた「法定相続」よりも優先されます。
「遺言書」は、相続を受ける者に対する重要な意思表示である以上、有効な「遺言書」を作成するためには、満15歳以上であることと、「意思能力(意思表示をすることができる能力)」、「行為能力(単独で法律行為を行うことのできる能力)」が必要になります。
遺言・遺言書の方式
遺言の方式には、「普通の方式(普通方式遺言)」と「特別の方式(特別方式遺言)」があり、それぞれ法律でその詳細が定められています。
普通の方式による遺言の種類
自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言
特別の方式による遺言の種類
死亡の危急に迫った者の遺言・伝染病隔離者の遺言・船舶遭難者の遺言・在船者の遺言
※ 「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」がもっともよく利用されています。
自筆証書遺言とは
「自筆証書遺言」に関しては、民法で次のように定められています。
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
有効な自筆証書遺言
(1)全文を自筆すること
(2)作成した日付を書くこと
(3)遺言者本人が署名押印すること
(4)遺言の加除、変更は法律の定めた方法で行うこと
自筆証書遺言は、すべてを自筆で作成する必要があり、パソコンやタイプライターによるものは無効です。
自筆証書遺言は、その遺言書を発見した者が、必ず、家庭裁判所にこれを持参し、その遺言書を検認するための検認手続を受けなければなりません。
公正証書遺言とは
「公正証書遺言」に関しては、民法で次のように定められています。
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
・証人二人以上の立会いがあること。
・遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
・公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
・遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
・公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
※ 公正証書遺言は、家庭裁判所での検認手続きは不要です。
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秘密証書遺言とは
「秘密証書遺言」に関しては、民法で次のように定められています。
秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
・遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
・遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
・遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
・公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
秘密証書による遺言は、秘密方式遺言としての条件に欠けるものがあっても、自筆証書遺言としての条件を満たしているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有します。
※ 秘密証書遺言は、自筆証書遺言と同様に家庭裁判所での検認手続きが必要です。
遺言書と意思能力・行為能力
遺言書は、自分の死後の相続等に関することを記した最終の意思表示です。
「遺言書」によって、相続分や遺産分割方法の指定はもちろん、相続人の排除(相続人の資格を失わせること)、子の認知なども可能です。
「遺言書」は、相続を受ける者に対する重要な意思表示である以上、有効な「遺言書」を作成するためには、満15歳以上であることと、「意思能力(意思表示をすることができる能力)」、「行為能力(単独で法律行為を行うことのできる能力)」が必要になります。