工事請負契約書(2)(共同施工)の書き方
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「工事請負契約書(共同施工)」作成の際にご活用ください。
文例は、このページの下部に掲載しています。
「請負」については、民法で次のように定められています。
第632条(請負) 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
請負契約書の文例一覧はこちら
⇒ 請負契約書の書き方
商取引に関する契約書について
契約は、お互いの意思表示の合致によって成立する法律行為です。
原則として、口頭でも契約は有効に成立しますが、後日のトラブルを予防するために、契約書という書面に残します。
「契約書」という名称の他にも、「確認書」・「合意書」・「覚書(覚え書き)」・「念書(約束事を記した書面を相手に差し出したもの)」、「同意書」、「証書」、「協定書」、「誓約書」などがありますが、約束(意思表示の合致)の内容や事実を証明する書類である以上、その効力は同じです。
商取引に関する契約書を作成するうえでのポイントは下記ページをご参照ください。
⇒ 商取引に関する契約書を作成するうえでのポイント
各種契約書・合意書・示談書の文例一覧はこちら
⇒ 契約書・合意書・示談書の書き方
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「工事請負契約書(2)(共同施工)」の参考文例
以下参考文例です。
工事請負契約書
契約者〇〇〇〇(以下、「甲」という。)が発注者〇〇〇〇(以下、「発注者」という。)より受注した、末尾記載の工事(以下、「本件工事」という。)を〇〇〇〇(以下、「乙」という。)と共同施工するにあたり、次の通り契約を締結する。
(総則)
第1条 甲は発注者との標記請負契約の締結名義人として、発注者との連絡折衝に当たるものとする。
2 乙は発注者に対する関係においては、甲の下請人であることを承認し第2条及び第3条に定める区分により工事を分担施工する。
3 甲及び乙は自己の分担工事については、全責任を負い、この契約を完全に履行するものとする。
(工事の分担)
第2条 本件工事に関する甲、乙両者の工事施工分担区分については、次のとおりとする。
甲の分担工事区分 〇〇〇〇
乙の分担工事区分 〇〇〇〇
(工事費の配分)
第3条 前条によって、甲、乙両者に配分される工事費は次のとおりとする。
甲の分担工事費総額 金〇〇〇〇円也
乙の分担工事費総額 金〇〇〇〇円也
ただし、設計変更その他の事由により請負金額に増減変更を生じたときは、甲乙それぞれの分担工事に対する発注者との更改契約に基づく変更金額によって、上記金額を増減するものとする。
(相互の応援)
第4条 甲、乙両者間において相手方の分担工事を応援施工する必要が生じたときは、その精算については発注者に提出した工事費内訳明細書によるものとする。ただし工事費内訳明細書によりがたいときは、両者協議して決定するものとする。
(発注者に対する責任)
第5条 乙は、その分担工事の施工に当たっては、甲が発注者との間に締結した契約条項及び設計書並びに工事仕様書その他発注者から示された指示事項等によって行うものとする。
2 乙はその分担工事に関しては、甲が発注者に対して負う履行義務と同等の一切の責任を甲に対し負わなければならない。
(諸法令の遵守)
第6条 本件工事の施工上必要とされる諸法令及び発注者より示された遵守事項等は、甲、乙各々独立して、その分担工事につき責任を負うものとする。
(責任の分担)
第7条 甲、乙は各々その分担工事に関して、発注者又は第三者に対して与えた損害はそれぞれの責任において負担するものとする。
2 甲、乙のいずれかがその相手方に損害を与えたときは、その都度両者協議して決定する。
(委任、下請負及び権利義務の譲渡の制限)
第8条 乙は、甲の書面による承諾を得なければ、工事の施工を第三者に委任し、又は請け負わせることはできない。
2 甲及び乙は、いずれも相手方の書面による承諾を得なければ、この契約に基づく権利義務の全部又は一部を、他に譲渡することはできない。
(前渡金の配分)
第9条 甲が発注者より受けた本件工事の前渡金は、第3条記載の分担工事費総額の比率によって、甲、乙にそれぞれ配分するものとする。
(部分払い金の配分)
第10条 甲が発注者より受けた本件工事の部分払金は、甲、乙それぞれの分担工事の出来高によって配分するものとする。
(工事代金の支払時期)
第11条 甲が発注者より受領した本件工事の前渡金、部分払金及び竣工代金は、甲と発注者との間に締結された契約と同一の支払条件により、受領の都度即日乙に支払うものとする。
2甲の責に帰すべき事由により、前項の支払が遅延したときは、甲の受領日の翌日より起算し、乙に支払うべき金額に日歩〇銭〇厘を乗じた遅延利息を支払うものとする。
(共通費用の分担)
第12条 本件工事の名義人として、特に必要とされる経費は、両者協議の上おのおのその負担額を取り決め、乙の負担額はこれを甲に支払うものとする。
(共通仮設費及び経費の分担)
第13条 本件工事の施工に係る共通の仮設費及び経費は、第3条記載の分担工事費総額の比率によって、甲、乙それぞれ配分負担するものとする。ただし、甲、乙いずれかより申出があり、これによりがたいと思われるときは、両者協議の上、配分負担額を別に定めるものとする。
(瑕疵担保)
第14条 乙は、その分担工事の瑕疵については、甲が発注者との間に締結した契約条項と同一の履行義務を甲に対して負うものとする。
2 甲、乙の間でその責任の所在に関し見解を異にするときは、第三者の権威者の裁決により決定する。
3 乙が第1項の規定による瑕疵の補修を行わないときは、甲は自らこの瑕疵の補修を行い又は甲の指定する第三者にこれを行わせることができる。
この場合、乙は瑕疵に基づく損害の一切を甲に賠償しなければならない。
(履行遅滞)
第15条 甲及び乙は、各々その分担工事の工期を遵守しなければならない。
2 乙はその責に帰すべき事由により、工期内に工事を完成することができないときは、甲が発注者に支払う遅滞料と同一の割合の遅滞料を支払わねばならない。
3 甲、乙両者の責に帰すべき事由により工期内に工事を完成することができないときは、その遅滞料の分担は、当初協議して定めたそれぞれの予定工程における工事の所要日数に対するそれぞれの遅延日数により分担負担するものとする。
4 甲及び乙は、それぞれの責に帰すべき事由による遅延により、その相手方に損害を与えたときは、両者協議の上、その相手方にこれを賠償しなければならない。
(契約の解除)
第16条 甲は、次の各号の一に該当する事由があると認めたときは、契約の全部又は一部を解除することができる。
(1)発注者が甲に対し本件工事の全部又は一部を解除したとき
(2)乙が第5条、第8条の規定に違反し、甲が催告してもなお誠意が認められないとき
(3)乙の責に帰すべき事由により、定められた期間内に工事を完成することができないと明らかに認められ、又は破産したとき
(4)乙が契約に違反し、その違反により契約の目的を達成することができないと認められたとき
2 乙は、次の各号の一に該当する事由があると認めたときは、契約の全部又は一部を解除することができる。
(1)設計変更その他の事由により、乙の分担工事費が著しく減少したとき又は工期が著しく短縮されたとき
(2)甲が第8条の規定に違反したとき
(3)甲の責に帰すべき事由により、乙の分担区分が、定められた期間内に工事を完成することができないと明らかに認められたとき
(4)甲が支払不能と認められ、又は破産したとき
(5)甲が契約に違反し、その違反により契約の目的を達成することができないと認められたとき
(契約の解除に伴う損害の賠償)
第17条 前条第1項第1号及び第2項第1号を除く前条各号により契約を解除されたものが、その相手方に損害を与えたときは、両者協議の上その額を算定し、遅滞なくその損害を賠償しなければならない。
(契約解除による精算)
第18条 第16条により契約を解除したとき、乙に工事既成部分があるときは、甲はその部分につき、甲、乙間の契約単価によりこれを精算するものとする。
2 乙が第9条により前渡金を受けているときは、その残額に対する保証料を加算した額を甲に支払わなければならない。
(分担金等の精算)
第19条 甲及び乙は、本契約により、それぞれの相手方に支払わなければならない金額を、所定の期日までに支払うものとし、支払期日の定めてないものは、竣工代金受領の時までに精算を完了するものとする。
(労働災害補償)
第20条 甲及び乙は、それぞれ自己の労働者の業務上の災害補償については、一切の責任を負うものとする。
2 労働者災害補償保険には、甲、乙それぞれにおいて加入し、各自の負担において保険料を納付するものとする。ただし甲のみが労働者災害補償保険の事業主としての適用を受ける場合には、乙は第3条記載の分担工事費総額の比率によって、保険料を甲に対して負担するものとする。
3 前項において、保険料の負担につき別に定めるときは、その定めによるものとする。
(社会保険等)
第21条 健康保険、失業保険及びその他の社会保険並びに建設業退職金共済制度については、甲、乙それぞれ事業主として、これらに加入し、自己の雇用する労働者について、一切の責任を負うものとする。
2 前項において保険料及び掛金は甲、乙それぞれの負担とする。ただし別に定めるときは、この限りでない。
(契約書に記載なき事項)
第22条 本契約に定めのない事項が生じたとき、又はこの契約条件の各条項の解釈につき疑義が生じたときは、甲乙誠意をもって協議の上解決するものとする。
以上、本契約成立の証として、本書を2通作成し、甲乙は署名押印のうえ、それぞれ1通を保管する。
平成〇〇年〇〇月〇〇日
(甲) 住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
氏名 〇〇〇〇 印
(乙) 住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
氏名 〇〇〇〇 印