商取引に関する契約書を作成するうえでのポイント
このページは、商取引に関する契約書(念書・覚書・覚え書き・合意書)を作成するうえでのポイントをまとめています。
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商取引における基本契約について
商取引においては、商品売買や請負等を継続的に行うことがあります。
この場合には、相手先との全ての取引に共通する「基本契約(標準契約)」を締結し、契約期間、支払い条件、瑕疵担保責任、秘密保持、不可抗力に関する事項、損害賠償、契約解除に関する事項等のルールを定め、このルールに基づき、注文書、注文請書等を用い個々の契約(取引)を行う方法が採用されます。
商取引に関する契約書のポイント
商取引に関する契約書に明記すべき事項
・契約期間(自動更新にする場合は、その旨を記載)
・支払い条件(支払方法)
・秘密保持に関する事項
・商品検査(検収)に関する事項(物品売買の場合)
・不可抗力免責に関する事項
・危険負担に関する事項
・瑕疵担保責任に関する事項
・損害賠償に関する事項
・契約解除に関する事項
・相手方の信用が悪化した場合に関する事項
・所有権留保に関する事項
※不可抗力とは、天災地変等、通常考えられる注意や予防を行っても、損害を防ぐことが出来ないことをいいます。
※危険負担とは、契約当事者の双方いずれにも非がなく、契約の履行が出来なくなった場合に、その不利益をどちらが負担するかということをいいます。
※瑕疵担保責任とは、通常の注意では発見できない隠れた欠陥がある場合の責任のことをいいます。
※所有権留保とは、売主が買主に商品を引き渡しても、代金が全額支払われるまで、その商品の所有権が売主に留保されていることをいいます。
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商取引に関する契約書について
契約とは
契約は、お互いの意思表示の合致によって成立する法律行為です。
契約書とは
原則として、口頭でも契約は有効に成立しますが、後日のトラブルを予防するために、契約書という書面に残します。
「契約書」という名称の他にも、「確認書」・「合意書」・「覚書(覚え書き)」・「念書(約束事を記した書面を相手に差し出したもの)」等の名称のものがありますが、その効力に変わりはありません。
典型契約
民法では、よくある契約の類型として、次の13種類の契約を定めており、これらを典型契約(有名契約)といいます。
贈与契約・売買契約・交換契約・消費貸借契約・使用貸借契約・賃貸借契約・雇用契約・請負契約・委任契約・寄託契約・組合契約・和解契約・終身定期金契約
契約自由の原則
契約には、「契約自由の原則」というものがあり、典型契約以外の契約も許容しています。
典型契約以外の契約類型を、非典型契約(無名契約)といいます。
契約の履行
契約が有効に成立すると、当事者には、契約を守る義務が生じます。
契約が履行されないときには、訴訟手続や強制執行手続によって、強制的な契約の履行を求めることができます。
公正証書による契約
公正証書は、法務大臣が任命する公証人が作成する文書です。
強制執行認諾文言(「債務者は、本契約の条件に違反した場合は直ちに強制執行に服する旨認諾した」という文言)がついた公正証書であれば、勝訴判決と同様の効果を持つため、契約違反があったときに裁判をしなくても、直ちに強制執行をして、相手の財産を差し押さえることができます。
特定商取引法と契約書について
特定商取引法では、訪問販売(キャッチセールス、SF商法等)、電話勧誘販売(資格取得用教材等)、連鎖販売取引(健康食品、化粧品等)、特定継続的役務提供(エステ、語学教室、学習塾、家庭教師派遣、パソコン教室、結婚相手紹介サービス)、業務提供誘引販売(教材、チラシなどの購入を伴う内職)において、販売業者等に、一定の事項を記載した契約書を交付するよう義務付けています。この契約書を法定書面と呼びます。クーリング・オフ(一定の取引に限り、一定条件のもとで、消費者からの無条件解約を認める制度)は、この法定書面を受け取った日を1日目として起算します。