離婚協議書の書き方

離婚協議書を作成するうえでのポイント


このページは、離婚協議成立の証として作成する「離婚協議書」を作成するうえでのポイントをまとめています。
「離婚協議書の書き方」は、各種離婚協議書の雛形・様式・文例・書式・テンプレート・フォーマット・サンプルや作成する上でのポイントをご提供しています。

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離婚協議書とは

離婚協議書は、離婚合意書や離婚契約書、離婚示談書とも呼ばれ、夫婦が話し合いによって離婚する場合に、慰謝料・財産分与・養育費・親権・面接交渉権などを取り決めた書面のことです。

清算条項とは

離婚協議書には、通常「清算条項」を定めますが、「清算条項」を定めた内容で合意してしまうと、あとで請求したいことが出てきても請求できませんので、注意が必要です。
(※「清算条項」があっても離婚後2年間は年金分割の請求が可能です。)
将来、財産分与・慰謝料等を請求することが予測される場合は、この清算条項を定めないようにしましょう。

(清算条項の例)
甲及び乙は、本件離婚に関し、以上をもってすべて解決したものとし、今後、財産分与、慰謝料等名目の如何を問わず、互いに何らの財産上の請求をしない。また甲及び乙は、本協議書に定めるほか、何らの債権債務のないことを相互に確認する。

離婚協議に合意する前に・・・

離婚協議に合意する前に、次の事項をしっかり確認しましょう。
慰謝料
慰謝料の額、支払時期、支払い方法、支払が滞った場合の処置(強制執行等)

財産分与
財産の種類及び額(金銭、不動産、有価証券等)、財産分与を実行する時期
財産分与を実行する方法、財産分与を怠った場合の処置(強制執行等)

養育費
養育費の額、支払時期、支払期間、支払い方法
支払が滞った場合の処置(強制執行等)

面接交渉
面接交渉の条件(回数・日時・時間)、子供との連絡手段(電話・手紙・メール)
学校行事等への参加

厚生年金分割
年金分割の割合

離婚協議書の基本構成
離婚協議書は、一般的に次のような条項によって成り立っています。
・離婚の合意に関する条項
・親権者と監護権者に関する条項
・子供の養育費に関する条項
・子供との面接交渉に関する条項
・離婚慰謝料に関する条項
・離婚による財産分与に関する条項
・年金分割に関する条項
・住所変更等の通知義務に関する条項
・清算条項(離婚協議書に記載した権利関係のほかには、何らの債権債務がない旨を当事者双方が確認する条項です)
・強制執行に関する条項

離婚協議書と公正証書

離婚協議書を公正証書にするメリット
離婚協議書を強制執行認諾約款を付した公正証書(離婚給付等契約公正証書・離婚に関する契約公正証書)にしておくと養育費の支払いなどの「金銭債務」を相手方が怠ったときに、裁判を起こさずに直ちに相手方の財産を差し押さえるなどの強制執行を行えるメリットがあります。

公正証書の強制執行認諾約款の例
第〇条(強制執行認諾) 甲は、第〇条の債務の履行を遅滞したときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した。
第〇条 甲は、本証書記載の金銭債務を履行しないときは、直ちに強制執行に服する旨認諾した。


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離婚協議書を公正証書にするために決めておくべきこと

未成年の子がいる場合の親権者、監護権者
(※ 監護権者とは、子の監護養育をする者で、親権と分離して別に監護者を定めない限り、親権者が当然監護養育すべきことになります。)
・面接交渉の取り決め (面接の日時、場所、方法等)
・養育費の取り決め(金額、支払期日、支払方法等)
・慰謝料の取り決め(金額、支払期日、支払方法等)
・財産分与をする場合の物件(不動産・動産・現金)の特定(現金の場合はその金額、支払期日、支払方法)
・強制執行認諾条項の取り決め

離婚と厚生年金分割の制度について

離婚をしたときに、厚生年金の標準報酬を分割することができる制度には、合意分割制度と3号分割制度があります。

離婚の際、年金分割について話し合いにより合意したとき
離婚のときの当事者間の話し合いにおいて年金分割の割合について合意したときには、次のいずれかの方法により、合意した内容を明らかにして、年金分割の請求手続きを行います。

・公証人の認証を受けた私署証書(年金分割の割合について合意した内容が書かれたもの)を添付して年金分割の請求手続きを行う。
・年金分割の割合について合意した内容が書かれた公正証書の謄本または抄録謄本を添付して年金分割の請求手続きを行う。
・年金分割請求時に、当事者双方またはその代理人の方がともに社会保険事務所に来所し、年金分割請求をすること及び請求すべき按分割合について合意している旨を記載し、かつ、当事者自らが署名した書類を添付して手続きを行う。

離婚の際、年金分割について話し合いで合意できなかったとき
離婚のときの当事者間の話し合いにおいて年金分割の割合について合意できなかったときは、家庭裁判所における審判手続などの裁判手続を利用して年金分割の按分割合を定めることができます。年金分割に関する裁判手続は、次のとおりです。

審判手続(請求すべき按分割合に関する審判事件)
家事審判官が家庭裁判所に提出された書類等にもとづいて、年金分割の割合について判断します。

調停手続(請求すべき按分割合に関する調停事件)
当事者間で争いのある年金分割の割合について、調停を開き、調停委員会の進行により、話し合いによる解決を目指します。

離婚訴訟における附帯処分(標準報酬等の按分割合に関す処分)の手続
離婚訴訟において、裁判所は、当事者の申し立てにより、離婚請求を容認する場合に併せて年金分割の割合について判断します。


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